2025年7月、米国トランプ新政権、標本輸送の米国空港通過に新規則
2025年1月に米国は新政権となり、多くの米国の方針が変わってきているが、米国の空港保安を担当する政府機関、アメリカ運輸保安庁(TSA、Transportation Security Administration)の方針も大きく変更されている。7月8日に空港での検査を円滑にするためにセキュリティスクリーニングにおいて、一般乗客に対し、靴を脱ぐことが排除されたことや、5月に米国国内の飛行において通用する身分証明書の一律化を決定したと同時に、大幅に新調整と改正が進んでいる。
TSAは2001年11月19日に設立、米国の空港や交通機関の安全に運営する監督・役割を担っており、米国の各空港のX線による手荷物検査や乗客のスクリーニング検査を行っている政府部門である。当政府機関は、新政権下で、他の部門同様、再編成が行われ、生産性や効率性を求めることを目的に労働組合も排除された。危険物、医療機器等に対するスクリーニング(標本を運ぶタンク)も、新たな承認方針を導入しており、この状況を把握、遵守していない場合は、通過できなくなっており、効率的な規制変更が実施されている。2024年末までのスクリーニングとは異なり、医療器具、医療薬品、そして標本通過において、特別な書類や政府の承認が必要となっている。弊社の標本専門輸送パートナーからは、混在した報告が7月20日現在上がってきており、パートナーである一つの専門輸送会社は、急に新しい承認と書類なしには輸送移動ができないと止まっている状態であるが、もう一つのパートナー会社は先週の時点で、新たな承認なしに通過できたということなので、完全な徹底までにはまだ達していない模様である。さくら代表は標本移動日である7月4日に、この新たな変更にニューアーク空港で直面し、急遽、アメリカ運輸保安庁(TSA、Transportation Security Administration)のオフィサーらの協力と指導により承認を得ることができた。
受精卵などの大切な標本を運搬する場合、通常の貨物の運搬の遅滞や破損があり得るのと同様、リスクは必ず伴うことが避けられないが、そのリスクを最小にするため人間が大切にハンドデリバリーで運搬することが、標本を扱う生殖医療の運送の世界水準とされている。“小さな標本を運ぶだけなのにどうして費用が高いのか”“それなら自分でも運べる”というコメントをたまに聞くが、費用が高いのは、標本ハンドデリバリーの専門家が手荷物で大事に目を離さずに運んでおり、”貨物“として運んでいないからである。逆に安い場合は、貨物として運ばれているルートになっていることが多く、標本が破損することもこの20年間、大手の細胞・標本専門会社で依頼したケースで数件見ている。タンクのみが動いている場合に、タンクが横になったり(標本入りのタンクは直立を保つ必要がある)、タンクの破損、及び、大手著名運輸会社のハブ(主要中継空港)の台風による運搬の遅れによるものだ。また、人間による機内持ち込みが伴うハンドデリバリーでは、液体窒素のタンクに対する各空港でのスクリーニング、機内への持ち込み、と各国と政府、各航空会社の規則のやりとりの前準備が非常に煩雑で(航空会社によっては持ち込み不可。)簡単ではない。さくらグループでもクライアントの標本に限って輸送を承っているが、ハプニングやトラブルが予期できないこのハンドデリバリーの仕事を行っている全ての専門家たちは、緊張感を伴い、重要性を理解したうえで全力を尽くし運搬を行っている。
事実上、世界各国の空港は各国の政府により統制され、それぞれ規制と方法論が確立しているが、2024年末まではアメリカ運輸保安庁(TSA、Transportation Security Administration)においては各オフィサーの任意により処理されている傾向にあった。これが新政権になり、通過には特別な審査、承認の必要性が徹底されることにより、一貫して円滑に運搬ができることは好ましい。大切な標本を移動を依頼する場合、各政府と準備万全とし、世界の情報ネットワークを持っていて常に新情報を共有している輸送専門プロフェッショナルに委託することが重要である。


